LEVCO|新規事業リサーチ

福祉事業を
LevCoで立ち上げるなら

就労移行支援・就労継続支援A型/B型を中心に、制度、指定、人員、収益、広島での需要、立ち上げ手順を事業判断の目線で整理しました。

基準日 2026年8月20日 対象地域 広島市を想定 一次情報中心 参入判断用・確定申請書ではありません

まず結論

LevCoの思想と既存の強みは、障害のある方の「働く力を育て、企業や地域とつなぐ」就労支援と相性があります。ただし、いきなり物件と人員を抱える段階ではありません。

第一候補

就労移行支援

一般企業への就職をゴールに、訓練・企業開拓・実習・定着を支援。LevCoの人財育成、営業、企業接点を生かしやすい一方、就職後の定着実績が報酬に直結します。

第二候補

就労継続支援B型

雇用契約なしで、継続的な生産活動と生活・就労支援を提供。広島市の計画では利用増が大きい一方、支援の質と年間を通じた仕事・工賃原資の確保が核心です。

慎重候補

就労継続支援A型

利用者を雇用し、最低賃金など労働法を守りながら支援します。既存事業を持つLevCo本体との法人要件の衝突可能性と、賃金原資を稼ぐ事業力の両方が大きな壁です。

最優先で確認することA型の解釈通知には「同一法人内において専ら社会福祉事業を行う」実施主体要件があります。営業代行・AI・Web制作等を行う現在のLevCoで、そのままA型指定を受けられるとは限りません。別法人が必要になる可能性を含め、広島市の指定担当へ最初に確認すべき論点です。
ナミの提案まず90日間、既存の就労支援事業所と組み、AI・デジタル・営業補助などの支援プログラムまたは仕事づくりを小さく実証する。その結果を持って広島市へ事前相談し、「就労移行」「B型」「別法人A型」のどこへ進むかを決めるのが最も安全です。

「福祉事業」は一つの事業ではない

高齢、障害、児童、生活困窮など制度も指定も別です。今回の主題は、障害者総合支援法に基づく就労系障害福祉サービスです。本人の状態と希望に応じて、選択・訓練・福祉的就労・一般就労・定着までをつなぎます。

就労選択支援
強み・希望・適性を整理
就労移行支援
一般就労への訓練
A型/B型
支援付きの働く場
一般企業へ就職
雇用契約
就労定着支援
就職後を支える

実際の進路は一直線ではなく、本人の意思を中心に組み合わせます。2025年10月から就労選択支援が始まり、新たにB型を利用する一部の方は事前利用が原則になりました。

就労系サービスの比較

サービス主な目的雇用契約標準期間最低定員の目安主な人員報酬を左右するものLevCo目線
就労選択支援本人が就労先・働き方を選べるようアセスメントなし原則1か月程度を基本10人就労選択支援員 15:1、管理者支援日数、体制、各種加算原則、既存の就労支援実績が必要。新規参入の第一歩にはしにくい
就労移行支援一般企業への就職と定着事業所との雇用契約なし標準24か月。個別審査で更新余地10人サビ管、職業指導員・生活支援員 6:1、就労支援員 15:1、管理者定員、配置、就職後6か月以上の定着率、加算・減算人財育成・企業開拓との相性が高い。成果責任も重い
就労継続支援A型支援付き雇用の場と能力向上あり。労働法・最低賃金が適用原則、固定の標準利用期間なし10人サビ管、職業指導員・生活支援員 10:1、管理者定員、配置、労働時間・生産活動・一般就労等のスコア雇用と事業を同時に経営。今回の候補では最も難易度が高い
就労継続支援B型雇用が難しい方へ生産活動と継続支援なし。賃金ではなく工賃原則、固定の標準利用期間なし原則20人。多機能型等は特例ありサビ管、職業指導員・生活支援員 10:1、管理者定員、配置、平均工賃月額または選択した報酬体系、加算・減算需要は大きい。仕事・工賃・支援を切らさない運営力が必要
就労定着支援一般就労後の生活・職場課題を支援就職先と雇用契約一定期間サビ管、就労定着支援員等利用者数、定着率等就労移行と将来組み合わせる余地。実績なしの単独開始には向かない

定員・兼務・資格・経過措置は事業形態で変わるため、上表は入口の比較です。正式な配置は広島市との事前相談で確定します。

3サービスを詳しく見る

就労移行支援|「一般就労へ送り出す」事業

提供するもの:就労訓練、自己理解、履歴書・面接、企業見学・実習、求人開拓、就職活動、就職後の定着支援。単なるパソコン教室ではなく、本人ごとの個別支援計画と関係機関連携が中心です。

  • 職業指導員+生活支援員は利用者6人に対し常勤換算1人以上。各職種1人以上で、いずれか1人以上は常勤。
  • 就労支援員は利用者15人に対し常勤換算1人以上。
  • サービス管理責任者は60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤。
  • 基本報酬は定員規模に加え「就職後6か月以上定着した割合」の影響が大きい。
LevCoが勝つ条件企業開拓が営業担当の片手間ではなく仕組みになっている/就職先で求められる実務を訓練できる/生活面や障害特性への支援を福祉専門職が担う/就職させて終わらず定着まで追える。
就労継続支援A型|「雇用」と「福祉」を同時に経営する事業

提供するもの:利用者と雇用契約を結び、最低賃金、労働時間、有給休暇、安全衛生などを守りながら、仕事と能力向上支援を提供します。

  • 職業指導員+生活支援員は利用者10人に対し常勤換算1人以上。各1人以上で、いずれか1人以上は常勤。
  • サービス管理責任者は60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤。
  • 生産活動の売上-必要経費が、原則として利用者賃金総額以上になる運営が求められる。
  • 給付費を利用者賃金・工賃の穴埋めにすることは、災害等を除き認められない。
  • 生産活動収支、平均労働時間、多様な働き方、支援力、地域連携、一般就労などのスコアが報酬に影響。
A型でやってはいけない見立て「給付費が入るから最低賃金を払える」は誤りです。福祉サービスの給付収入と、生産活動の売上・賃金原資は分けて設計する必要があります。
就労継続支援B型|「継続して働ける場」をつくる事業

提供するもの:雇用契約を結ばず、本人の体調・障害特性に合わせて生産活動の機会、生活支援、能力向上、一般就労への移行支援を提供します。

  • 職業指導員+生活支援員は利用者10人に対し常勤換算1人以上。各1人以上で、いずれか1人以上は常勤。
  • サービス管理責任者は60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤。
  • 生産活動の売上-必要経費に相当する額を工賃として支払う。給付費を工賃へ直接充てる設計ではない。
  • 工賃向上計画を作成していないと算定できない報酬区分がある。
  • 2025年10月以降、一定の例外を除き、新たなB型利用前に就労選択支援を利用する流れになった。
LevCoが勝つ条件小分けできる高単価業務を年間で確保する/体調変動があっても納期事故を起こさない工程にする/AI利用では個人情報・顧客情報を持ち込まない/「低単価作業の量産」ではなく本人の能力が伸びる仕事にする。
就労選択支援|2025年10月開始の新しい入口

本人の希望・能力・適性を作業場面等で整理し、ケース会議、アセスメントシート作成、関係機関連携を通じて本人の選択を支えます。実施主体には、就労移行または就労継続支援の指定事業者で、過去3年以内に3人以上を一般就労へ移行させた実績等が求められます。新規法人が最初に選ぶサービスというより、既存実績の先にある候補です。

お金の構造|給付費だけを見ない

① 福祉サービス収入

基本報酬+加算-減算を、提供実績に応じて請求。利用人数・利用日数・定員・配置・成果等で変動します。

② 生産活動収入

利用者が関わる商品・業務の売上。A型の賃金、B型の工賃を支える別会計です。給付費とは混ぜません。

③ 法人の運営費

職員人件費、家賃、送迎、保険、採用、研修、システム、請求事務等。稼働率が上がる前から発生します。

開設前に必ず作る二つの損益「福祉サービス部門の損益」と「生産活動の損益」を分けます。A型・B型では、生産活動側で賃金・工賃を持続的に生み出せない計画は成立しません。

参考になる実績値

107,968円/月

広島県のA型平均賃金(2024年度)。全国平均は91,451円。

25,889円/月

広島県のB型平均工賃(2024年度)。全国平均は24,141円。

平均値は利用者への賃金・工賃であり、事業者の利益ではありません。勤務時間や利用日数等も異なるため、単純比較はできません。

収支試算に必要な入力

広島市で見える需要

広島市の第7期障害福祉計画では、A型は緩やかな増加、B型は大きな増加を見込んでいます。

区分2023年度見込み2026年度見込み変化
A型 利用者数713人/月736人/月+23人(約3%)
A型 サービス量14,260人日/月14,720人日/月+460人日
B型 利用者数3,370人/月4,589人/月+1,219人(約36%)
B型 サービス量60,660人日/月82,602人日/月+21,942人日
ここから言えることB型の利用需要は伸びる前提です。ただし、「需要増=新規事業所が自動的に埋まる」ではありません。地域・障害特性・送迎・紹介経路・作業内容ごとの不足を聞き取る必要があります。指定量の調整対象になる可能性も含め、事前相談が必要です。

広島市での指定相談

広島市内で開設する場合は、健康福祉局障害福祉部 障害自立支援課 事業者指導・指定係(電話 082-504-2841)が入口です。

立ち上げに必要なもの

法人・指定

  • 法人格と定款の事業目的
  • 欠格事由・役員体制の確認
  • 広島市との事前相談・指定申請
  • 業務管理体制・情報公表

  • 要件を満たすサービス管理責任者
  • 職業指導員、生活支援員、就労支援員
  • 管理者、請求・労務・会計担当
  • 資格、実務経験、研修履歴の証明

場所・設備

  • 訓練・作業室
  • 相談室、洗面所・便所、多目的室
  • バリアフリー、消防、避難、用途
  • 送迎や公共交通との相性

運営

  • 運営規程・重要事項・契約
  • 個別支援計画・記録・請求
  • 虐待防止、身体拘束、感染症、業務継続
  • 事故、苦情、個人情報、安全衛生

最短の手順

  1. 地域ニーズを聞く:当事者・家族、相談支援、医療、特別支援学校、ハローワーク、既存事業所、企業。
  2. 提供価値を一文にする:誰の、どんな働きづらさを、何につなげるか。
  3. サービスを選ぶ:就労移行/B型/別法人A型/まず連携のどれか。
  4. サビ管候補と仕事・就職先を同時に確保:人員だけ、仕事だけの片方では開けない。
  5. 広島市へ事前相談:物件契約より先。法人要件、定員、総量、兼務、立地を確認。
  6. 二つの損益と資金繰りを作る:福祉部門と生産活動部門を分離。
  7. 物件・消防・建築、人員、規程、申請:修正期間と現地確認を見込む。
  8. 紹介経路と利用者募集:広告だけでなく地域連携から利用につなげる。
期間の見立て広島市の正式な指定スケジュールは、初回相談から指定まで少なくとも約3か月です。事業選定、採用、物件、仕事・就職先の開拓まで含めると、実務上は6〜12か月を見た方が安全です。後半はナミの事業計画上の推奨であり、行政が定めた期間ではありません。

LevCoとの相性を率直に見る

生かせる強み

  • 「人が育つから成果が出る」という共育の思想
  • 営業・企業開拓・組織構築
  • 人財育成、研修、コミュニティ運営
  • AI・Web・デジタル業務の設計
  • 広島での企業・仲間との接点

今のままでは足りないもの

  • 障害特性、生活支援、権利擁護の専門性
  • サービス管理責任者と現場責任者
  • 給付請求・実地指導・記録の運営経験
  • 年間を通じた仕事または就職先
  • 支援と収益が衝突した時の統治

参入方式の比較

1
既存事業所との連携実証
LevCoは訓練・仕事・企業開拓を提供し、福祉支援は経験ある事業所と組む。最も低リスクで、現場理解と実績を得やすい。
2
LevCo本体で就労移行またはB型
市の確認で法人・指定条件を満たせる場合。サビ管と運営責任者を先に確保し、既存事業と会計・責任を分ける。
3
福祉専用の別法人でA型
A型の法人要件と雇用リスクに対応する案。ただし法人を分けるだけでは不十分で、実態のある支援・生産事業・統治が必要。
社運を賭ける前の停止線「補助金・給付費がある」「AI作業ならできそう」「困っている人が多い」の3つだけでは進めません。対象者の声、紹介経路、専門人材、仕事・就職先、二つの損益がそろって初めて開設判断です。

次の30日でやること

Week 1

仮説を絞る

対象者、解決したい課題、一般就労か継続就労か、提供する仕事・訓練を一枚にする。

Week 2–3

15件聞く

当事者・家族5、支援者5、企業・既存事業所5。誘導せず、現在の困り事と不足を聞く。

Week 4

市へ相談

就労移行・B型・A型法人要件の3案を持参。物件はまだ契約しない。

参入判断の質問

  1. 最初に支えたいのは、どんな状態・希望の方か。
  2. 一般就労へ送り出すのか、継続して働く場をつくるのか。
  3. LevCoだから提供できる支援は何か。既存事業所との差は何か。
  4. 紹介してくれる相談支援・医療・学校等はどこか。
  5. 実習先・就職先・業務発注先を何社確保できるか。
  6. サービス管理責任者を誰が担うか。
  7. 現場の安全と支援品質の最終責任者は誰か。
  8. 福祉部門と生産活動部門の損益は成立するか。
  9. 稼働率が低い半年を耐える資金はあるか。
  10. 既存事業と福祉事業の利益相反をどう監督するか。
最初の具体的な一歩広島市へ電話する前に「事業仮説1枚」を作り、その上で事前相談の予約を取る。同時に、既存事業所へ連携実証を1件提案する。この二本立てなら、制度確認と現場検証を並行できます。

まだ確定していないこと

ここは資料だけで埋めず、行政・現場・LevCoの実態を確認してから決める領域です。

広島市へ確認

  • 希望地域・サービスの指定量調整や新規指定の可否
  • LevCoの定款・既存事業でA型の法人要件を満たせるか
  • 想定する兼務、人員配置、定員、物件が認められるか
  • 採用する報酬区分・加算・減算の正確な条件

LevCo側で確認

  • 誰を主な支援対象とし、どんな成果を目指すか
  • サービス管理責任者と現場責任者を確保できるか
  • 利用者の紹介経路と、実際の地域需要があるか
  • 就職先・実習先または年間の受注業務を確保できるか
  • 初期費用と、利用率が低い期間の運転資金を持てるか
判断ルール上記を確認する前に、サービス種別の確定、物件契約、採用、法人新設へ進まない。特にA型は、広島市から法人要件の見解を得るまで「LevCo本体で開設できる」とは扱いません。

主な一次・公的情報

制度・報酬・自治体運用は更新されます。実際の指定、雇用、物件契約、投資の前に、最新資料と広島市担当課の回答を再確認してください。

  1. 厚生労働省|障害福祉サービスの内容
  2. 厚生労働省|障害者の就労支援対策の状況
  3. 厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定
  4. 厚生労働省|令和6年度報酬改定の概要・報酬算定構造(PDF)
  5. 広島県|指定障害福祉サービス事業所等の人員・設備基準(PDF)
  6. 広島市|新規指定等に係る事前相談及びスケジュール
  7. 広島市|第7期障害福祉計画(PDF)
  8. 広島市|就労選択支援について
  9. 広島県|就労選択支援の指定・人員・設備基準
  10. 厚生労働省|2024年度工賃・賃金実績(PDF)
  11. 広島市|A型の生産活動事業実績報告・経営改善計画
  12. 厚生労働省・こども家庭庁|障害福祉サービス事業者等の指定ガイドライン(2026年、PDF)
  13. 厚生労働省|障害福祉サービスの利用者負担
資料の位置づけこれは2026年8月20日時点の初期調査です。法務・労務・税務・指定可否の最終判断ではありません。特にA型の法人要件、兼務、定員、物件、報酬区分は広島市へ事前確認してください。